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- 排尿障害(男性)
40歳以上の7人に1人が排尿の症状で悩んでいます。
「尿が近い、夜のトイレが多い、もれそうになる、もれてしまう」
こんな排尿の症状を年のせいにしていませんか?
40歳以上の日本人のうち14.1%、約1,000万人が、何らかの排尿の症状で悩んでいるといわれています。(※)
その中でも、夜間にトイレに行く症状で悩んでいる人が多いことが分かりました。
(※)出典:過活動膀胱診療ガイドライン第2版 Rich Hill Medical東京
おしっこの出るしくみ
普通、私たちは膀胱に200~400mLの尿がたまると尿意を感じます。そして、自分の意思でトイレに行くまでしばらくがまんすること(蓄尿)と、準備が整いしだい排泄すること(排尿)ができます。
「がまんする」か「おしっこをする」かは、脳からの命令により、膀胱の伸縮と尿道の筋肉の開閉で調節されています。
排尿のトラブルは、病気が原因かもしれません
排尿は、健康状態を反映しています。
排尿のトラブルには、膀胱から尿道へかけての下部尿路の病気が関係している可能性があります。
◆排尿のトラブルの分類
◆関連する病気
脳から膀胱までの連絡経路に障害が起こった場合
- 脳障害(脳梗塞、脳出血、パーキンソン病など)
- 脊髄障害(脊髄損傷、多発性硬化症など)
膀胱や尿道自体に障害が起こった場合
- 細菌感染症(膀胱炎、尿道炎など)
- 膀胱結石、膀胱結核、膀胱がん、間質性膀胱炎
その他
- 糖尿病
- 精神的なもの(ストレス)
- 年齢による筋力の低下
前立腺肥大症は、男性にとって宿命的なもの?
前立腺肥大症は、中年以降の男性に多く、50歳以上の2人に1人の割合でみられ、4人に1人で排尿の症状をおこします。
◆前立腺とは
前立腺は、膀胱の下で尿道を取り囲むような形をした、男性だけにあるくるみ大の生殖器官です。
尿道がその中心を通るため、前立腺が肥大すると膀胱の出口が狭くなり、おしっこが出にくくなったり、トイレが近くなったりします。
◆症状
- 排尿後、まだ尿が残っている感じがする
- トイレが近い
- 尿が途中で途切れる
- 急に尿意をもよおし、もれそうで我慢できない
- 尿の勢いが弱い
- おなかに力を入れないと尿が出ない
- 夜中に何度もトイレに起きる
症状が一般的な老化現象の範囲か、治療を要するものかを検査する必要があります。診断には「肥大の程度」「自覚症状の程度」「他の病気(前立腺がんなど)がないか」を確認することが大切です。
前立腺肥大症の治療
症状の重さによって経過観察、薬物療法や手術療法などが行われます。症状を悪化させないためには、規則正しい生活とバランスのとれた食事、心身のリラックスなどが大切です。
◆薬物療法
主にα1(アルファワン)ブロッカーという薬を使用します。前立腺を収縮させる“ノルアドレナリン”という物質の働きをブロックする薬で、前立腺の過剰な収縮を抑えます。他に、PDE5阻害薬、5α還元酵素阻害薬(抗男性ホルモン薬)、植物エキス配合製剤、漢方薬なども使用します。
◆手術療法
薬での作用が期待できない場合、前立腺切除術、レーザー治療などを行うこともあります。
過活動膀胱(Overactive Bladder:OAB)をご存じですか?
OABとは、膀胱が自分の意思に反して収縮する病気です。突然強い尿意におそわれ、尿をがまんできなくなります。
◆症状
尿意切迫感
突然強い尿意が起こり、がまんするのが難しい
昼間頻尿
起きている間に8回以上トイレに行く
夜間頻尿
夜中に1回以上トイレに行く
切迫性尿失禁
尿意を感じると我慢できず、トイレにつくまでに尿が漏れてしまう
◆OABになりやすい人
- 太っている人
- 便秘の人
- 水分摂取が多い人(1日2リットル以上)または少ない人
- ストレスを感じやすい人
- 運動不足の人
◆OABが生活に及ぼす影響
もらすかもしれないという不安から頻繁にトイレに行くようになり、そのために社会生活の妨げになることもあります。
過活動膀胱の治療
自分でできる「膀胱訓練」や、薬で膀胱の過剰な収縮を防ぐ「薬物療法」で、OABの症状を改善することができます。
◆膀胱訓練
トイレに行きたくなっても、がまんする訓練です。膀胱にためることのできるおしこの量を増やす事ができます。がまんする時間は5分程度から始めて、少しずつ延ばしていきましょう。
◆薬物療法
主に抗コリン薬とβ3(ベータスリー)作動薬というお薬を使用します。抗コリン薬は、膀胱の異常な収縮をおさえる働きがあります。β3作動薬は抗コリン薬とは異なる働きをし、膀胱の筋肉をゆるめます。
排尿のトラブルに関係する検査
病院ではまず、一般的な検査を行い必要に応じて詳しい検査を行います。
◆問診
どのような尿のトラブルがどの程度あるのかを伺います。
◆検査
前立腺肥大症以外の病気ではないことの確認、尿トラブルの詳しい状態を調べるために検査を行う場合があります。
血液検査
腎臓の働きや前立腺がんがないか調べます。
尿検査
尿に血がまじっていないか、細菌がいないかなどを調べます。がんや感染症が見つかる場合もあります。
超音波検査(エコー)
膀胱に残っている尿の量や前立腺、膀胱の状態を調べます。
【過活動膀胱 チェックシート】
チェックシートに記入して、受診時にご利用ください。
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